2006年5月17日(水) 5:23 作成 - 2008年7月27日(日) 21:00 更新
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2100円で海外旅行する方法というサイトがあります。早い話、「マイレージをためまくる生活をしていると、海外旅行に行くことができますよ」というサイトです。
ただし、上記のサイトを読んでも、「マイル」という言葉は一切出てきません。だって、その答えを1万9800円で「売って」るんだもの。
せっかちな人は、ここで上記のサイトを「なんでもない情報で庶民からお金を巻き上げる、悪いやつだ」と思うかもしれません。まぁ、その通りかもしれませんが、どうしてこんな、いっけんひどいように見える商売が成り立っているのか、考えたいと思います。
ハッキリ言って、2100円で海外旅行する方法が売っている「1万9800円の情報」にとって、「答えはマイルだよ」という情報は、本当は些細なものなんです。
この情報はPDFのようなデータ形式での販売のようですが、なにもテキストデータで「マイルだよーん」とだけ書かれているのではなく、おそらく、住宅ローンがマイルにできる銀行や、マイルに対応しているガソリンスタンドなど、その他いろいろなマイルをためる方法の一覧を、見やすく、分かりやすく、詳しく解説してあって、数十ページくらいの分量にはなっていることでしょう。これこそが、この売り手の最も心血を注いだ部分であり、1万9800円という価格を堂々とつけていられる「よすが」なのです。
ずばり、1万9800円でこの情報を買ったひとにとって、買わなかったら海外旅行に行けず、買ったおかげで海外旅行に行けたとしたら、1万9800円の価値があったと、言えてしまってもおかしくありません。
Web 2.0 的な人々であれば、いや、普通の感覚であれば、仮に自分で「マイルをためるためのいろんなノウハウを公開しよう」と思ったら、何十ページもあるサイトを作って、それぞれに Google AdSense でも貼って、マイルのたまるオンラインストアにはアフィリエイト付きリンクでも張って、月々のささやかな収入に期待しちゃうことでしょう。
しかし、この方法で得られる利益はどれだけ大目に見ても、月に数万円レベルではないでしょうか。SEOやサイトマーケティング上手でなかったとしたら、数千円かもしれません。
いっぽうで、情報商材として1冊1万9800円で売れば、これは実に儲かるビジネスと化します。この手の「ちょっと怪しい情報」が大好きな人々はマーケットとして確実に存在しており、そういった人たちにリーチしやすい媒体も、世の中にはたくさんあります。また、それを支援する方法すら、情報商材として破格で(!)売られているのです。
わたしはこの手の情報商材における「サイト訪問者のうちの購入比率」は知りませんし、果たしてこの「マイルで海外旅行」のサイトの例が適切だったかどうかは分かりません。しかし、実際に情報商材で何百万と儲けたという話は聞きますし、前述の AdSense + アフィリエイトと比べて、1発で1万9800円の利益が出てしまう情報商材の方法が、収益の点で劣るとは、とても思えません。
情報商材を売る彼らは、Web 2.0 的なものの言い方をすれば、ロングテールをバッサリと無視して、いちばん食いつきのいい人々にだけターゲットを絞り、その食いつき相応の大きな利益を得ているのだと言えるでしょう。
世の中の消費者がみんな賢くなれば(頭がいいとかではなく、経済学でいうところの「情報の偏りがなくなれば」)、情報商材は消えてしまうのでしょうか。
まとまらないままですが、いま思っている考えをとりあえず書いておきました。
でも、この人たちはマイルを貯めて旅行に行くんじゃなくて、1万9800円を集めて旅行に行くんですよね?
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