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最近感じる「提案型のCM」

 最近、提案型のCMが増えつつあるんですよ。いや、気にするようにしてるから増えてるように感じるだけなのかな。

コンタクトレンズ : 「本当のあたし、デビュー」
2ウィークアキュビュー

 順不同だけど、たとえばコンタクトレンズの2ウィークアキュビュー。

 これまでのコンタクトレンズのCMって、「目にやさしい」とか「目に潤い」とか、機能的な訴求しかなかったでしょ。そういうのって、結局、「コンタクトレンズにしてみよう」っていま思ってるひととか、すでに他社のコンタクトをつけてるひとを相手にしているんですよね。

 それが、この2ウィークアキュビューのCMでは、女子高生を主人公にして「本当のあたし、デビュー」とやるわけです。そう、コンタクトレンズには、もともとメガネからコンタクトにして、表情が明るくなったとか、かわいくなったとか、そういう効能があったわけですよ。とりわけ、学生にはね。むしろいままでこういう市場開拓型のCMがなかったのが不思議なくらい。

 このCM、けっこう前にも流れてたんだけど、最近また増えてます。好評だったのかな?


引っ越し : 「そうだ、引っ越ししよう」

 あとね、感心したのは引っ越しのサカイ。これはやられた。ちょっと前だけど、飯島直子さんが仕事かなんかに疲れた様子で「そうだ、引っ越ししよう」とつぶやくCMです。

 これまで引っ越しのCMといえば、安心、サービス、低価格。これしかなかったよね。動機といえば、進学、転勤、マイホーム。それが引っ越しだった。

 そこへまさか、まさか、「引っ越ししよう」なんて言ってくるとは。いわば、引っ越し需要の掘り起こしですよ。これまでの常識から言えば、「引っ越し需要って掘り起こすものだったのかよ!」ってなわけです。

 確かに、新天地で心機一転とばかり、気分転換に引っ越しをする若い世代が増えているのかもしれません。しかしまさか、それを引っ越し会社から提案されるなんて思いもよりませんでしたよ。

 見た瞬間、うおー!と思ったCMでした。


増毛 : 「恋に落ちた、しなきゃいけないことがある」

 これも驚愕のCM。かねてよりアートネイチャーは、カツラメーカーから脱却しようと、奥様向けのレディースアートネイチャーや、若者男性向けの市場を開拓しようとしていてがんばっていました。しかしまさか、失恋を増毛のきっかけにしてしまうとは…。

 言わずもがなですが、かつてのカツラ・増毛・育毛のCMといえば、もう効果訴求そのもの。使用前と使用後を並べて、ハイご覧の通り!みたいな。それが数年前、アデランスが若い女性タレントを使った「電話してね♪」で大成功をおさめ、各社追随。そういう状況でした。

 結局、世の男性の失恋の原因は髪だけじゃなかったのか、「恋に落ちた、しなきゃいけないことがある」のCMはあまり長続きしませんでしたが、とにかくびっくりしたCMでした。


消費者金融 : 「どうする、アイフル?」

 実はこれがいちばん有名な提案型CMかもね。まあ世間ではチワワがかわいいってことで有名になってるわけだけど、このCMが画期的なのは、やっぱり「お金を借りたい場面」ってのを提案しているところですよ。

 消費者金融のCMは、まあ順当に考えれば、低金利とか、簡単な手続きとかを訴求するものが王道ですよね。ノーローンとか、大いに流行った無人君とか。まあ発想が二流のCMとしては単にイメージをPRするだけのプロミスとか、アコムとか。武富士はやりたい放題やってますが。

 さて、もともとアイフルは苦戦していたわけです。安心と親切を売りにした店頭の女の子のCM、あれはまあ可もなく不可もなかったんだけど、それに時をほぼ同じくして、アコムが超かわいい子(小野真弓さんね)を使って真っ向から勝負してきて、アイフルは勝負にならずに負けた…。とにかくアイフルはCMでアコムにやられたわけです。

 それが、チワワで大逆転。見事でしたね。まあ実際勝因はチワワにあるわけですけど、わたしは「お金を借りたい場面」の提案であることに注目したいわけです。いますぐほしい、衝動買いの強い味方としての消費者金融をアピールしています。いままでになかったCMですよ。チワワもかわいいけど。


もっと提案型のCMを

 たとえばビールだって、これまではどれもこれも判で押したように「爽快」を訴えるものしかなかったけど(優雅なエビスはちょっと違うかな)、去年はアサヒの本生が赤に引っかけて「クリスマスに飲もう」と提案したのを覚えていますか。忘新年会にお花見ビアガーデン、はたまた風呂上がりの一杯など、もっともっと提案できる場面はあると思います。

 あとパソコンのCMもよくわからないものが多い。インテルの販売戦略のせいで各社は「ペンティアム4搭載」と言うだけでインテルから補助金が出るんですけど、ホントはそんな性能訴求なんて、多くの消費者にとってはどうでもいいの。最近はデザインさえよければ売れるってんで、そういうイメージCMが増えてますけど、もっと進学とか、就職活動とか、中年世代の趣味とか、「誰がどんなときにパソコンを買おうと思うか」ってのを考えたCMがもっとあってもいいんじゃないですか。

 カップ麺もそう。格闘技の大男にガツガツ食わせて、だからどうしたっての。うまさやイメージばかりじゃなくてさ、食べ盛りの子供の間食とか、受験生の夜食とか、残業サラリーマンとか、いろいろあるんじゃないの?

夜食にうまいラーメン

 2003年12月1日追加 : その後、こんなのが出ました。よくやった。

 さて、キリがないのでこのへんにしておきます。これ、どなたか、広告代理店への就職活動にでも活かしてください。笑。



蛇足 : テレビCMの画面

 あーところで、CMについて書くときにホントはCMの画面をお見せできるといいんだけど(著作権法上、正当な引用ね)、ずっとビデオを回しておくわけにもいかないし、テレビ画面に向けてずっとデジカメを準備しているわけにもいかないんですよね。

 以前、公開メモ日記でビックカメラのCMを写したことがありますが、あれはテレビ東京のワールドビジネスサテライトのスポンサーで毎日必ず流れてたから、わたしも毎日見ている番組だし、写しやすかったんですよ。それでもシャッターを切るのにはずいぶん苦労しましたけど。

 なんとかならないもんですかねぇ。

 2003年12月1日追加 : パソコンにテレビチューナーを付けてCMキャプチャできるようになりました。



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