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東証の取引システムのハードディスクが500MBやそこらだと推測される件

 東証のシステムが10年前の年代物だということで、ハードディスクの容量がボトルネックになっているなんてのは非常にお粗末であるという話。

たった450万件? なにその少なさ?

 そもそも1日に450万件という数字は、ふだんの実際の取引量を知らずとも、多少なりともシステムの分かる人間にとって、パッと見でいかにも少なすぎるという感覚を持つのが普通ではないでしょうか。

 しかも、その制限をもたらしているのが、ハードディスクの容量だというのです。(゚Д゚)ハァ??

東証決済管理部によると、現行システムのコンピューターは日立製作所の大型汎用機(メーンフレーム)で、独自開発のソフトを組み込んでいる。清算システムは、処理に先立ち、その日に確定した約定(やくじょう)の全データを売買システムから受け取り、ハードディスクに格納する。この際に確保できるハードディスクの空き容量の大きさから、現在は約定処理能力が1日450万件に限られている。

 というわけで、450万件のデータがどれほどのものかということを、計算で求めてみます。


450万件の約定データに必要な容量は、せいぜい450MB程度

 注文処理の限界が900万件で約定処理の限界が450万件という関係からは、単純に売りと買いの注文データがペアになると、そのまま約定処理1件分のデータとみなしてよさそうです。

 さて1件の注文の記録に必要な項目は、約定ID、証券会社コード、顧客コード、株式コード、取引単価、株数、時刻、取引種別(現物や信用の区別)といったところ。計8項目。約定の記録はこれが売りと買いでペアになるので、計16項目。仮にわたしの知らない必要情報があるとして全20項目としよう。これらはすべて数値データ(int値)にできるので、1項目あたり32ビット(最大値42億9496万7296)も割り当てれば十分すぎる。(まさか備考欄が必要だとは言わせない。)

 よって、1件の約定に必要なデータ量は 20項目 * 32ビット = 640ビット = 80バイト。ここでも大目に見て100バイト必要だとしよう。

 さて、450万件の約定データに必要な容量はというと、 450万 * 100バイト = 450MB。おつかれさまでした。単純に考えて、IDEハードディスクにある504MBの壁にぶつかっているようにも見えてしまいます。


ニューヨーク証取とは乗っている土俵が違う

 まぁ現実は単純計算の通りには行かないし、東証がIDEを使ってる可能性も低いと思うけど、単純にハードディスク容量だけの問題なら増設すればいいだけの話。そう行かないのは、やはりシステムの古さに起因する、何らかの壁があるのでしょう。今後のシステム増強で500万件とか700-800万件になるようですが、もし本当にハードディスクの容量がボトルネックになっているとしたら、少なくとも、そのハードディスクは今日のわたしたちがふだん使っているような容量からは、想像もつかないほど貧弱なものだということは、間違いなさそうです。

 また、今回のように容量の観点からハードディスクがボトルネックになるのは本当にお粗末な話であって、ニューヨーク証取が1時間に4680万件処理できるのは「ボトルネックであるハードディスクが東証より大きいから」ではなく、「東証と違ってハードディスクがボトルネックになっていない」からです。ではなにがボトルネックになっているかというと、それはCPUのスピードであり、それはほぼイコール、サーバーの稼働台数なわけです。よって、東証の1日450万件と単純に比較はできません。乗ってる土俵からして違うのです。


東証はどこに設備投資してんだ!

 本当に、東証には呆れます。アメリカのマネして電光掲示板で銘柄をぐるぐる回して喜んでいる場合じゃないんですよ。



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