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統一地方選挙で考える、選挙と民衆のネットワーク

 なかなかうまく選挙で民意を反映できない日本の選挙民。まだまだ政治的成長が足りないのかもしれません。

2003年の統一地方選挙をふりかえる

 今月は統一地方選挙がマスコミをにぎわせました。今回の選挙は、自民党や民主党がどうの、無党派や改革派がどうのといった話題よりも、ワイドショー好みの個別の候補者が注目を集めたように思います。


賢い行動ができない日本の有権者

 さて、日本の選挙は、連立与党の選挙協力や候補者の差し替えなどで被選挙人のほうはいくらか賢いようなのですが、有権者側の政治行動はまだまだ未熟ですね。

 前回の大統領選で有名になったフランスの二回投票制では、2回の投票の間に有権者は万策を尽くして民意を最大限に反映するべく行動します。また、アメリカを中心に、異なる選挙区間で有権者が票の交換契約を結ぶ「swap(交換)投票」が広まりつつあります。これもまた、限りある票を最大限に活用しようとする行動でしょう。

 こういった先進諸国の例に比べると、日本の有権者は賢くない。これは、民衆のネットワーク化が遅れていることが原因の一つではないかとも思います。日本は市民団体やNPOといった民衆組織がまだ根付いておらず、そのせいか、集団で政治的な行動をとることにも慣れていないようです。


追い風のはずのインターネットも

 インターネットの普及は民衆のネットワーク化を助ける心強い追い風になるはずなのですが、なかなか成功していません。これはインターネット普及率の低さというよりも、利用意識のレベルの低さが原因であると思います。

 欧米圏のひとびとにとってインターネットは、あらゆる行動に新しい「"e"による手段」を与えてくれるものであり、文字通り世界とつながる強力なメディアでした。日本の何年も先を行くアメリカの多様なeコマースや、NPOによる世界的な同時デモの実現がその証左となるでしょう。

 しかし、日本人にとってのインターネットはいまのところ、趣味や娯楽、便利な道具に過ぎないようです。「インターネットがこれからの政治行動を変える力を持っている」と、どれだけの日本人が感じているでしょうか? 韓国では先の大統領選で、若年層が中心ながらもインターネット上の選挙運動が立候補者側・市民側の双方で非常な盛り上がりを見せました。日本で仮にインターネットによる選挙運動が解禁になったとして、果たしてそれだけの潮流が生まれるでしょうか。


民衆の総意を上手に示そう

 話をインターネットのほうへ持っていきすぎました。

 いまの日本の選挙の問題点のひとつは、民衆の政治行動があくまで「自分(や家族・組織)と候補者」の関わりによるものになってしまっていて、「民衆の総意で選ぶ候補者」という関係があまり意識されていないということだと思います。前述したように、これは日本人が集団で政治的な行動をとることに慣れていないことが原因でしょう。

 しかし、選挙の結果がそのまま民衆の総意だとするならば、民衆の総意は当然、民衆の総意によって作らなければなりません。民衆の総意が選挙結果に納得できないとすれば、それは民衆の失敗であり、それを招いた個々人の失敗でもあるのです。



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