ソニーの超薄型B5サイズノートPCが発表されました。9.7mmという薄さは確かに衝撃的ですが、わたしの印象はあまりパッとしませんでした。
いち消費者としてのわたしの印象は、「もうそこまで薄くなくたっていい」です。そりゃあ厚いよりは薄いほうがいいのかもしれませんが、それほど薄いわけではない Panasonic の Let's note LIGHT は長時間バッテリーと充実した性能で売れているのであり、SHARP の MURAMASA はデスクトップに接続できるHDDの機能性が評価されているのです。
また今回のソニーは、薄型化と軽量化のために、バッテリーや拡張性、HDDなど複数の面で妥協しており、非常にソニーらしくありません。「他のすべてのために唯一、厚さのみに妥協を許した」と言った Let's note とは対照的です。
そして、価格が高い。30-35万円という価格設定は、あと一歩でQUALIAです。携帯性のために、ひとは10万円も高いお金を出すでしょうか。
わたしはむしろ、価格のさらなる上乗せもいとわずに、前述のようないっさいの妥協を排した究極の薄型PCとして、QUALIAの名を冠せられるべきだったと思います。そして実際、本体表面の光沢処理や40万円もする専用アルミケースなど、QUALIA的な試みが随所に見られます。さればこそ、比較的簡単に実現できたはずの40GBのHDDやSXGA+の液晶、1GBのメモリ、換装できる大容量バッテリーが搭載されないのは実に惜しい。
QUALIAになりきれなかったノートPC。果たして売れるか。