ひとたび自衛隊が派遣されるやいなや、貢献しているんだからいいじゃないか、という論調が蔓延するのは、すごく危険です。いちばん悪い選択肢が集まる束の中から、いちばんマシな策を引き当てたと喜んでいるようなものです。自衛隊派遣が「国際社会において名誉ある地位」を得る、唯一最善の手段だったと言えるでしょうか。
イラク戦争だって、フセインを失脚させたことそれ自体はよかったかもしれませんが、それで戦争反対の矛を引っ込めてしまうのでは大局を見失っています。何千、何万もの無実のイラク人を犠牲にする必要があったでしょうか。
ドイツのニーメラー牧師の言葉は、いまの世界への警鐘にもなり得ます。