公開メモ日記

[ 2006年10月13日(金) 10:21 ]
 国家にとっての「国民ひとりあたり生涯平均収支」を計算してはどうか

 財政と育児政策を考えるときに使える、新しい(と思う)財政指標を提案します。

 ひとりの子供が生まれることによる、国家にとっての平均収支は何円になるの?

 つまり、あるひとりの国民の、出産に始まる各種手当て、教育の国庫支出、健康保険や年金、場合によっては生活保護などにかかるお金と、消費税や所得税など、その国民の納める税金などの総額が、もしプラスになるんだったら、国はもっともっと出産や子育てに対する支援を増やして、収支のプラスをどんどん増やせばいいわけです。

 話を単純化すれば、いま現在1億2000万人にかかっている諸費用というのが、すなわち国家の歳出です。そしていま現在1億2000万人からもらっている収入というのが、国家の歳入。で、いまそれが大赤字なわけですから、1億2000万分の一にして、人口1人の国家でも赤字。それだけを考えると実は、ひとりの子供を産むと国家収支的にはマイナスが増えてしまうように見えます。だめじゃん。

 しかし、そうではありません。いまの人口ピラミッドは、偏っているのです。国家にとってお金のかかる高齢者が多く、(同じくお金のかかる子供も少ないけど、)国家にとってお金を生んでくれる生産人口が少ない。しかもこの偏りは大きくなり続けている。だから赤字が大きいのであって、単純にいまの財政赤字だけを見て判断するわけにはいかないのです。

 やはり、ひとりの子供が生まれることによる、国家にとっての平均収支は、誰かがちゃんと計算しなければならないでしょう。

 これがもし赤字なら大変です。放っておけば、どうあがいても未来に希望はありません。財政支出が大きすぎるというひとつの理論的証明になるので、国家はどこかでムダを削らなければなりません。

 いっぽう、これがもし黒字なら、その黒字分だけ、出産や育児の支援金として財政出動させることは、理論的に正しい措置となります。たとえその時点での財政収支が赤字でも、国債を発行してでも、やるべきなのです。仮にこの「国民ひとりあたり生涯平均収支」が300万円の黒字なら(ひとりの国民が一生かけて、たった300万プラスになればいいのだ)、子供ひとりあたり300万円の出産奨励金を出してもいいことになります。これは大きい!

 このような指標は、すでに計算されているのでしょうか? 何かの統計数字の計算の過程ではきっと出しているような気もするのですが、それがオープンにされたことはないのではないでしょうか。これは、「いまの国家が財政的にまともなのかどうか」と「国民ひとりの出産にどれだけ支出してもいいのか」を判断する、便利な指標です。ぜひこれを計算して、幸いにしてプラスという結果が出て、子育て支援政策が勢いづくことになればいいなと思います。

 もしすでに同様の指標があるなら、そして活用されているなら、この記事は本当にムダでした。ごめんなさい。

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