いまの20代の中盤から30代にかけてはPCを存分に使いこなすのに対して、20代の前半から下については、PCではなくケータイですべてを済ませてしまうため、「若いクセして意外にITに弱い」みたいな世代になっているといいます。この風潮は、PCを前提としたインターネットでビジネスを展開しているひとたちにとって、「ウカウカしていられない、早くケータイにもビジネスの手を広げねば」などと恐れられています。
でまぁ事実そのとおりである可能性も否めないとは思うのですが、しかしひとつの仮設として、「親がPCに疎いための一過性の世代」に過ぎない気もするのです。
すなわち、冒頭で述べたように20代中盤から30代にかけては、まさに自分たちがIT時代の先陣を切り開いてきたわけです。親になんて当然頼るわけでもなく、むしろ親に教えたりするのがこの世代。
そしていま問題のいわゆる「ケータイ世代」とは、最初に与えられるIT機器がケータイであって、かつ、家庭にはPCを積極的に利用する習慣のない世代だとは言えないでしょうか。とりあえず時代の流れでパソコンは買うけれど、所詮いまの40代から50代前半の親たちです。子供にPCのリテラシーを教えるような環境は望めないでしょう。ましてや学校でそうした教育を受けるチャンスも逃してきた世代です。ケータイのリテラシーばかりが向上しても不思議ではありません。
しかし今後、さらに下の世代ではどうでしょうか。親はすでにちゃんとPCを使いこなすいまの30代。学校でのIT教育環境もだいぶ整ってくるはずです。少なくとも、時代の狭間で成長してきたいまの「ケータイ世代」よりは、優れたPCリテラシーを身につけていけるはずです。
いっぽうで視点は変わりますが、フルブラウザを端緒としてケータイ自体のインターフェイスが今後ますますリッチになり、PC世代とケータイ世代のギャップがどうのこうのという議論自体があまり意味をなさなくなる時代もやってくるでしょう。モバイル環境は発展を続けるでしょうが、「リッチなインターフェイス」やそれを使いこなす「リテラシー水準」が衰退していくとは思えないのです。
すなわち、おまえら「ケータイ族の時代がやってくる」などと煽り立てるのやめろと。これが言いたかった。
参考: ケータイ族とは - はてなダイアリー