公開メモ日記

[ 2007年7月2日(月) 1:41 ]
 やはりemは「強調」ではなく「強勢」だった

 HTML 5の覚書という記事に、「em要素とstrong要素の違いは重要度ではなくなった。」と書かれています。まさにわたしが思っていたとおりの結果だと確信したと同時に、ずっと昔にakくんから「emとstrongの違い」について期待されていたことを思い出し、HTML 5の覚書を補足する形であらためてわたしの認識を示しておきます。てか件の記事にある「<p>猫は<em>かわいらしい</em>動物だ</p>」なんて例としてわかりにくすぎだろ…。

 というわけで、わかりやすい例。

 1.「中国の<em>市場規模は</em>、いずれ日本を抜くだろう。しかし技術力はまだまだ日本に追いつけない。」

 2.「中国の市場規模は、<em>いずれ</em>日本を抜くだろう。しかしそれは今日明日の話ではない。」

 3.「中国の市場規模は、いずれ日本を抜く<em>だろう</em>。バブルの崩壊で大恐慌でも起こらないかぎり。」

 4.「最強最悪と思われた大ハリケーンも、<em>当初想定されたほどの被害は</em>もたらさなかった。」

 5.「中華<em>で</em>いいの?中華<em>が</em>いいの?」

 で、英語の文章ではこのような「強勢」を、HTMLが広まる前からずっとイタリック体を使って表現してきたのです。太字を使うのはあくまで「強調(=重要語句)」であって、これは「強勢」とはまったく異質のものです。いっぽうの日本語の文章では、「強勢」は主にカッコ書きや、上点(ヨコ点)などで表現されますね。カッコ書きはともかく、重要語句を上点で表現することなどありえないはずです。つまり日本語にもちゃんと「強勢」と「強調」の区別の意識はある。

 これまで英語圏の人々は、emとstrongの仕様上の定義こそあいまいながらも、ブラウザのレンダリングがイタリックとボールドだったために、これまでの紙の上での文章表現の慣習と結びつけて素直に区別されてきた感があります。混乱していたのは日本人その他だけ。というか、W3Cも悪いが、それに気付いて「慣習としては〜のように使い分ける」などと説明できなかった日本側のいろんなひとたちも悪いとわたしは思うのです。思っていたのです。ずっと。

 参考: あまもよう - 幸之介記法 (2)

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