公開メモ日記

[ 2004年10月7日(木) 4:21 ]
 オリコンが音楽配信に参入

 ファイル形式がWMA固定で、ポータブルプレイヤーには3回までしか書き込めず、さらにポータブルプレイヤーは「専用機」でしか再生できない。

 このようないわゆる囲い込みの仕組みというものは、格安割り引きなどでひとたび広まってしまえば、配信側にとっても利用者にとっても便利な世界となり得ます。しかし、囲い込みから独占を目指す戦略が見事に成功したとすればその瞬間、音楽配信の世界は進化を忘れてしまうでしょう。

 あのソニーですら聞き分けたというのに、まったくオリコンもJASRACやavexとおんなじ、ソフトバンクよろしく独占大好き人種だったってことですね。

[ 2005年1月27日(木) 4:21 ]
 オリコン、10万曲をネット配信へ チャートにも連動

 「iPodとの互換性はない」。はいおつかれさま。

 1曲210円などという価格の問題も確かにあるが、いまの日本のネット配信業界にいちばん欠けているのは、音楽配信が「信頼」を売るビジネスだという認識がないことです。

 規格が乱立して、将来にわたって存続するかどうかわからない。新しいフォーマットにいつ取って代わられるかもわからない。違うメーカーの再生機で聴けるかどうかもわからない。同じメーカーでも2010年に売られている機器では聴けないかもしれない。

 そんな数々の恐ろしい不安をなんとかぬぐえているのが、デジタル音楽の代名詞の座を勝ち得たiPodであり、mp3なのです。

 デファクトスタンダードとは、そういうものです。

[ 2005年1月28日(金) 10:25 ]
 オリコンが有料音楽配信サービスに見せる自信

 うっひゃー。あまりに大胆な発言のため、まるまる引用しますよ。

 「両アーティストのセールスパワーを鑑みると、コアなファン層だけでない幅広い層にアプローチでき、非常に多くのダウンロード数になることが予想される。今回の特別企画は日本の音楽史に残るエポックメーキングな出来事となり、黎明期にある国内の音楽配信ビジネスのターニングポイントになると思われる」

 だそうです。うわー言ってのけてしまいましたね〜。「非常に多く」とか「音楽史に残るエポックメーキング」とか、「ターニングポイント」とか。

 一定数の固定ファンが確保できるジャニーズを選んだのは上等な戦略だと思いますが、1曲315円とか(まぁジャニーズは安売りしないわな)、「ポータブルプレーヤーに1回」だけしか転送できないとか、ダウンロード期間が60時間限定といった夢のあふれる舞台が整っています。

 また、「売上予想は2006年に850億円」という狸が絶滅してしまいそうな皮算用は、1999年のネットベンチャーのような香りを醸し出しています。ちなみに音楽ダウンロードだけだと、315円の曲が1億回で315億円ですよ。年間にミリオンヒットがあるかないかのこの時代に、ネット配信だけで1億回。

 SMEavex各社exciteOCN有線MS、そしてオリコン。誰も何も学んでません。

[ 2005年2月3日(木) 4:32 ]
 オリコン、有料音楽配信サービスの開始日を延期

 あらら、ヘンなところで出鼻くじいちゃってるよ…。

 そしてKinKiのダウンロード件数の発表はしない、と。

[ 2005年3月23日(水) 5:12 ]
 オリコン、ヒットチャート連動の音楽配信サービスを3月23日より開始

 おつかれさまです。

 で、デジタルARENAのヤフーやオリコンも参入、10社を超える各社音楽配信サイトの戦略とは?という記事の最後に、音楽配信はレンタルCDの価格が大きな壁と書かれています。

 そう。レンタル価格があるんですよ。だから、100円じゃないと売れない(価格だけじゃもちろんダメだけど)。音楽業界のみなさまは「わざわざCDショップに出かけてレンタルしてこなくても、自宅で何万曲もの中からダウンロードできる」ことをわれわれ消費者にとっての利便性だと勘違いしていらっしゃるんですけど、そんなのはサイトの使いにくさと決済の煩雑さとファイル形式の信頼性の問題で、チャラどころかおつりをよこせってなもんですよ。むしろ「モノとしてのCDを作らなくてすむし、モノとしての流通もないし、モノとしてのショップも不要」だからレンタルより安くできるはずだろと、なる。消費者の感覚は。

 新規参入のない業界はこれだからダメなんです。自分たちの今持つパイをゼッタイに減らさない。これは業界各社が悪いんじゃないですよ。自社の利益を確保するのは当然ですから。悪いのは、ギョーカイそのもの。航空業界で AIR DO が果たした役割は、非常に大きかった。新規参入じゃないとできないですよ、これは。いままで2万円で飛んでた路線に1万円の価格を持ち込めば、路線全体としてのパイが縮小するのは目に見えています。既存航空会社だけじゃ、100年かかっても実現しないでしょう。新規参入だからこそできたのです。ソフトバンクのYahoo!BBもしかりです。いままで ISDN などで月々5000円くらい取れていた市場に2000円を持ち込めば、以下略です。ケータイ会社が定額制を嫌うのも、ARPUを下げるあらゆる戦略が眼中になかったからです。PHSのWILLCOMが、自社のARPUが下がる可能性があってもなお音声通話定額に踏み切れたのは、目の前の巨大なケータイ電話市場があったからこそです。

 少し脇道にそれましたが、要するに、既存の枠にとらわれたままの価格設定をしている以上、音楽業界は変われないってことです。

 あと、そろそろわたしたちは記録媒体じゃなくて、曲を聴く権利にお金を払いたくなるんじゃないかと思います。レコードからCDへ変わるとき、ひとは同じ曲をすでにレコードで持っていても、もういちどお金を払いました。それは、モノが変わったのだから、と言われれば納得できる。しかし、デジタルの場合、もうそれがシリコンメモリだろうがハードディスクだろうが光ディスクだろうが、そんなのはカンケーないんですよ。中身は同じ曲です。Yahoo!でダウンロードした曲が、シリコンオーディオプレイヤーに入って、それで終わりですか?3回転送したら終わり?バカいうな。PCにずっと保存できますか。10年後も同じ形式ですかね?mp3やwmaが20年後も残っていますかね?いや、残っているかもしれない。でも、そんな保証も確信も持てない。それが今の消費者心理です。Apple、そしてmp3は圧倒的なデファクトスタンダードでなんとかその「信頼」を得られたけど、いまこそ音楽業界は、「音楽」に対してお金を払っていることをハッキリさせてほしい。いままでだって音楽にお金を払ってきたわけだけど、それにはCDのプレス代だって、実際にはわずかかもしれないけど、含まれていたんだ。いやむしろ含まれていたからこそ、レコードからCDに、同じ曲であっても再購入することに疑問を持たなかったんだ。

 着メロには、アレンジしたひとに対する対価を払ってもいい。立派な価値創造だ。しかし、着うたはどうだ?その人が実際にCDを持っていたとしたら、単にその曲がケータイから流れることに対してだけに、何百円も払うのか?

 ノー推敲で突っ走り書きしてしまった。ちゃんとしたコラムにしたいところだけど、とりあえずこのまま掲載。やっぱメモ日記をブログに拡張しないといかんよな。

[ 2005年5月25日(水) 7:55 ]
 400億円市場予想も 「メモリー型」普及で弾み

 自社の音楽配信の売り上げを「2006年に850億円」と息巻いていたオリコンですが、富士キメラ総研に「市場全体で2008年度に400億円」と予想されちゃってます。あはは。

 もっとも、各社が規格統一の歩み寄りを見せない限り、そのさらに半分すら実現の見込みはないとわたしは思うのですが。いま盛り上がっているのはプレイヤー市場だけで、音楽の市場流通は旧態然としたままです。何を思ったのか件の記者は、プレイヤー市場と配信市場を混同させて記事を脚色してるようですが。

[ 2005年7月15日(金) 21:42 ]
 エイベックス、iTunes Music Storeに楽曲提供を決定

 ようやく一角が軍門に下った。次はSMEか東芝EMIか。あとは価格の問題だけですね。

 音楽配信で来年の売上850億円を目指すオリコン様の顔が見てみたいなぁ。

[ 2006年2月18日(土) 12:44 ]
 オリコンが記者説明会を開催。今後は動画ダウンロード配信も検討

 「ORICON STYLEで提供している音楽配信の楽曲ダウンロード数は月に6〜7万程度」だそうです。1曲210円だと、月に1200万から1500万円程度の売上でしょうか。

 そろそろ舌の根も乾いたころとは思いますが、1年前に高らかに謳い上げた、「2006年に850億円」という予想(←目標ではない)に向けて、がんばってくださいね。

[ 2006年5月24日(水) 13:29 ]
 オリコンのPC音楽配信、今期末に月間50万DL目標

 2005年度のPC向け音楽配信事業が、月間8.5万ダウンロードだったということは、1曲200円として年間の売上が2億円。

 それに対して2006年度の目標は、月間50万ダウンロードだそうです。年間12億円ですか。決算資料には「携帯電話で手軽に音楽を楽しめるようになることで、ユーザーの裾野が広がり、音楽配信マーケットが拡大」とだけ挙げられていますけど、こんな根拠でよくもまぁ6倍もの拡大成長を語れるものです。

 2005年に語った売上予想は、850億円でした。全社の売上が50億円規模の会社が、ですよ。

 あやまれ!投資家にあやまれ!

[ 2006年11月2日(木) 3:41 ]
 オリコンがPC向け音楽配信を11月末で終了、今後はアフィリエイト型に

 これまでわたしが散々追いかけてきたオリコンの音楽配信が、見事に崩れ去りました。サービス開始の2005年の3月23日から、鳴かず飛ばずの1年8ヶ月。オリコン株主のみなさまにおかれましてはたいへんおつかれさまでございました。

 曰く「日本の音楽史に残るエポックメーキングな出来事となり、黎明期にある国内の音楽配信ビジネスのターニングポイントになると思われる」とか、当時も笑えましたが、いま見るとさらに笑えます。オリコン株主のみなさまにおかれましてはたいへんおつかれさまでございました。

 なお、オリコンが今回の企画を発表した2004年10月以来、日経平均が1万1000円前後を低迷する中、同社の株価は上がり続け、サービス開始前には高値31万4500円を付けます。その後、サービス開始と共に株価はほぼ一貫して下落、本日の終値は5万4200円です。もちろんこの間日経平均は1.5倍にもなっています。オリコン株主のみなさまにおかれましてはたいへんおつかれさまでございました。

 2004年10月の高値まっただ中に出されたアイザワ証券のレポート[PDF]では、オリコンが高らかに発表した850億円という売り上げ予想を厳しく見積もって200億円とし、それでも当時の総売上が50億円の会社に対して音楽配信が経常利益に30億円の貢献としていますが、フタを開ければ売り上げ2億円で赤字が3億円、さらに撤退で特別損失3億円という結末。オリコン株主のみなさまにおかれましてはたいへんおつかれさまでございました。

[ 2006年11月2日(木) 4:57 ]
 NTT東西、「Lモード」の新規受付を11月末で終了。サービス終了も検討

 オリコンの音楽配信と並んでわたしが追いかけてきたLモードですが、2001年6月の開始から5年、こちらも見事に幕が下りました。音楽配信を終了発表から1ヶ月もしないでやめてしまうオリコンと違って、Lモードのサービス終了予定は2009年度末とたいへん太っ腹。巨大企業のNTT東西には痛くもない投資だったかもしれませんが、しかしどう見ても失敗ムードがただよう中、盛んにテレビCMを打ってきた罪は大きいと言えます。

 この流れで行くと、そろそろ地上デジタル放送に伴うアナログ放送の停止が延期されるのかもしれませんが、総務省はNTTよりもさらに決断が遅いんでしょうな。

NTT東西、「Lモード」の新規受付を11月末で終了。サービス終了も検討

[ 2007年2月22日(木) 4:05 ]
 オリコン、API公開しアマゾンと連携--Web 2.0化の波に追随 - CNET Japan

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