公開メモ日記
もういいよ。
これほど歓迎されないニュースもないだろうな。デジカメメーカー関係者とか、わたしみたいなデジカメ好きの多くの肩を落とさせるニュースです。
コンパクトは500万画素で一瞬落ち着く兆しも見えていたんだけど(CCDサイズの一回り大きな700、800万画素機がパッとしていない)、うーむ、どうなるかな。デジタル一眼レフがこれまで通り600万画素が主流なら、それが歯止めの役割も果たしたかもしれなかったけど、いまや800万画素になったからな。
キリのいいところで、500。ここで歯を食いしばってくれよ、心ある開発者のみなさん。
というわけで、何言ってんのかよくわかんない、というデジカメ初級読者が多いとは思いますが、まぁ画素数なんて実にくだらない話だってことですよ。
デジカメの画素数至上主義の最右翼は、ジャパネット高田ではないのかと。
彼らのポリシーのひとつは、決してスペックの数字に頼ることなく、本当の使いやすさや楽しさをアピールしていくことだったはずである。少なくともパソコンの売り方について、高田社長は比較的早くからそう語っていた(いまではパソコンのスペックをアピールするやり方は、ジャパネットに限らず流行らなくなっている)。
にもかかわらず、いまの彼らのデジカメの売り方は、なんなんだ。
もちろん1000万画素のコンパクトデジカメなんて作るカシオも悪いのだが。
シャープ … 「オラオラ時代は1200万画素だぜ!バカな消費者どもよ買え買え!ケータイも500万画素だぜ!ヒャハハハハ!」
ソニー … 「シャープさんに顧客(ニコンやペンタックスなど)を取られてはたまりませんから、われわれもしっかり高画素を目指していきますよ」
キヤノン … 「本当は画素数を抑えて写真の美しさを追究したいのですが、高画素を求めるお客様の声には勝てません…」
パナソニック … 「ウチは手ぶれ補正や広角28mmなど、いっときのカシオはんみたいに機能性重視ですから、まぁ画素数は他社さんたちの様子を見つつですな」
富士フイルム … 「画素数ばっかりはいけないとおもいます!」
まぁ、高感度撮影時の美しさでフジフイルムには敵わないわけだけど、オリンパスもなかなかいい品を作るじゃないか。
以下、高感度に対する国内大手デジタルカメラメーカー各社の態度(予想)
フジフイルム : うちは高感度こそが命。さらに高みへ。
オリンパス : フジさんには敵わないけどがんばります。
パナソニック : うちは手ぶれはレンズで補正しますから。ある程度は感度も気にしてますけどね。
キヤノン : コンパクトで高感度とか必要ないでしょ。手ぶれが嫌ならレンズで補正できるタイプか、一眼レフを買ってちょうだい。
ソニー : 他社さんにはなかなか追いつけないので、他で勝負させてください…。
ニコン : ソニーさんのCCDを使っているので同上です…。
カシオ : ヒャハハハハ。高感度が売れるのか。じゃあ無理矢理にでも高感度に対応だ!
参考 : 公開メモ日記 - 画素数競争における国内五大デジタルカメラ素子メーカーの態度(予想)
高倍率ズーム、手ぶれ補正、広角28mmなど、画素数以外の競争軸の発掘で戦ってきたパナソニックまでが、ここへきて1200万画素機を積極的に出してくるとは…。
ソニー
「毎年これで十分と言われながら、しかし実際にはユーザーがより高画素なカメラへとシフトしていく傾向は止まりそうにありません。ユーザーが望んでいる限りは、高画素化という価値を追求し、最新の製品を届けていくことになります。ただし、ソニーとしてあえて高画素化を先導していこうとは思いません。画質と画素数のちょうどいいバランスを見極めながら判断していきます」
キヤノン
「しかしながら、現実問題としてズーム倍率の高さと画素数が、そのカメラの性能を示すと思われている部分があります。特に北米の場合、相変わらず画素数が重要視されています。価格帯が画素数ごとにきれいに分かれていますから、なかなか画素数の呪縛から逃れることは難しいかもしれませんね」
フジ
「はい。第6世代のコンパクト機向けセンサーは600万画素にとどめ、進化の方向はすべて高感度特性向上に割り当てていきます。というのも、ISO3200でもまだ足りないと考えているからです」
シャープはCCDを製造するだけでカメラは販売していないためインタビュー記事はないが、きっとこう思ってるに違いない。
「アーッハッハッハッハ!!画素数を増やすだけでカシオがバンバンCCD買ってくれるぜ!カシオも消費者もバカばっか!」
関連: 公開メモ日記 - 画素数競争における国内五大デジタルカメラ素子メーカーの態度(予想)
画素数競争に乗らないフジのすばらしさがわかる、実に優れた視点のテストです。
一眼レフであるキヤノンの「Canon EOS 30D SLR (8MP)」に匹敵するコンパクトカメラは、フジの「Fujifilm FinePix F30 (6MP)」だけ。特に画素数競争の騎手、すなわち悪の権化であるカシオのひどさは目を覆わんばかりだと言えましょう。ISO800のテストも参考にどうぞ。
ちなみに、個別の機種ごとに多少のばらつきはありますが、おおむね最近の機種はこのテスト結果と同じ程度にメーカー間の画質差があると思って間違いありません。また、デジタル一眼レフはコンパクト機とはまったく別物であり、フジはデジタルでも優秀ですがトップはキヤノンであり、また、メーカー間の差は最近の機種ではほとんどなくなってきています。
というわけで、一眼レフならオリンパスですが、コンパクトならおまえらフジを買いなさいフジを。高感度は正義。
参考: 公開メモ日記 - オリンパス、ISO10000対応のコンパクトデジカメ「CAMEDIA FE-250」
ここ数ヶ月の間に発売された、新しい年式のデジタルカメラを探しています。
画素数が1200万を超えるタイプで、ご覧のメーカーの製品の購入はお控えください。
高感度撮影でご使用になりますと、偽色を含むノイズが大量にあふれ出し、万一の場合、見るに堪えない画質になるおそれがあります。
画素数が1200万を超える製品をお探しのお客様で、まだ購入がお済みでない方は、直ちに検討を中止していただき、まことにお手数ですが、至急、販売店の店員に「630万画素のF31fdまだ在庫ありますか?」とお尋ねください。
何卒、ご理解とご協力をお願いいたします。
皆様には多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。
参考: 松下ファンヒーター緊急まとめサイト - アナウンス文
シーン1:
左が1200万画素、右が630万画素のデジカメで撮った写真です。
こうして見ても、違いはわかりません。拡大します。また拡大します。さらに拡大しても…違いがわかりませんね。これが画素数2倍の差です。
シーン2:
同じく左が1200万画素、右が630万画素のデジカメで撮った写真です。
拡大します。今度はもう違いがわかりますね。室内などの暗いシーンでは富士フイルムの高感度撮影が圧倒的な画質を誇ります。
シーン3:
画素が多ければ画質がよいとは限らないということ、わかっていただけましたか?
シーン4:
FUJUFILM FinePix (ロゴ)
(せっかくピクセル4倍にして高画素の実力を見せつけるシーン1用の画像作ろうと思ったのに、左のカシオのほうが解像感劣ってて笑えた)
『個人的な意見ですが、ひとつ感想として持っているのは、ユーザーさんはまだまだ高画素化を望んでおり、市場要求がある限りは高画素化を進めていかなければならないということです。』
従来、画素数増加に対して中立やや懐疑派だったキヤノンが微妙に立場を変えてきた気がする。もともと危ぶまれつつあった高感度最強の座から、自ら転げ落ちようとしている…さよならキヤノン…。
参考: 公開メモ日記 - 【インタビューまとめ】各メーカーが画素数についてどのように思っているのか
ソニー、1,360万画素になった「サイバーショットDSC-W300」
去年の1200万画素祭り以来、しばらく平穏が続いたと思ったらこれですよ。おまえは口火を切るようなメーカーじゃなかったじゃないか…!! なのに、なのにッ! これでまたシャープが得意のカシオを使って1400万画素を出してくるんだろこれ…。
フジとパナソニックの動向が気になる。画素数競争をいちばん憂いているのがカメラメーカー最後の良心、富士フイルムのはず。しかしメーカーとしての力がなく、F100fdでは妥協せざるを得なかった。したがって、画素数競争に終止符を打てるのはパナソニックしかないと、わたしは見ている。撮像素子メーカーとしてソニー陣営にもシャープ陣営にも属さない独立性。そして、手ぶれ補正や広角28mmの新基軸を打ち出してきたマーケティング力。おまえだ、おまえしかいないんだ!
パナソニックの最新機種に搭載されている「おまかせiA」は、本当におまかせできる初めてのおまかせ機能だと言えます。パナソニック唯一の弱点(単独首位のフジより劣る2位集団という意味で)である高感度さえ、せめてフジに次ぐ単独2位程度まで改善すれば、もうパナソニックに敵はない。
ほかのメーカーはもういい。パナソニックよ、1000万-1200万画素に踏みとどまれ。(フジはほっといても踏みとどまるだろう。)
参考: 公開メモ日記 - 富士フイルムが作るべきだった、エビちゃん抜きの静かな1分間テレビCM