公開メモ日記
今年のヒット商品番付が発表されました。実は日経MJとSMBC(三井住友)の2者が発表しているんですね。世間で話題になるのは日経のほう。しかし愚かなことに、ネットで公開していないんですよね。よってネットで検索すると、SMBCのほうが「ヒット」しまくります。
さて、流行したモノを称えるのもいいんですけど、不発に終わったモノから教訓を得る機会があってもいいんじゃないですかね。
というわけで今年の不発大賞は地上波デジタル。過去には二千円札、Lモード、FOMAなどが大いにくすぶりました。来年からは本格的に番付してみようかな。
まず、これは当然ですが、調査対象者がそもそも「Lモードを購入した」ひとであること。これが地上波デジタルテレビの話なら、大画面のプラズマテレビを買おうと思えばたいてい地上波デジタルのチューナーが付いているので、購入者にとっては「たまたま地上波デジタルが付いていた」場合も考えられます。しかし、電話機の場合、最新の電話機に必ずしもLモードが付いているわけではなく、Lモードの電話機は高いので、これを買うひとは「Lモードがほしい」と考えて購入している割合が高いはずです。
また、これはアンケート用紙の作り方にもよりますが、Lモードの電話機を購入したけど使っていないというひとは、そもそも「Lモードのご利用について」のアンケートに答えようとは思いません。NTTによる調査結果のページにも調査の回収率が書かれていませんが、回答しなかった人々はかなりの高率でLモードを使っていないことが予想できます。
…にもかかわらず、Lモード利用者は、回答者のうちの4割です。
ちなみに現在のLモード契約数は50万件弱。今年1月には月に3万人だった増加数も、ここ数ヶ月は月に1万人と、どんどん伸びがなくなっています。
それでもCMをバンバン流して事業続行しちゃうのは…、大企業病なんでしょうな。
完全に忘れ去ってしまわないうちに書いておきますが、そろそろLモードあきらめた?
アクセス数の下一桁がすべてゼロなのは、数字を丸めただけですか?下一桁だけわざわざ丸める意味ありますか?
…。
……。
ひょっとして(以下略)
『「小学生の塾や習い事」に関する調査』だそうです。
調査の名前によって調査結果が影響を受けている好例です。
つまり、こういう名前で電話やインターネットの調査を行っちゃあいかんのです。興味ない人が回答しない場合が多くなるから。
「Lモードについて」
「地上波デジタル放送について」
「次世代携帯のテレビ電話機能について」
「横田幸之介が好青年である件について」
オリコンの音楽配信と並んでわたしが追いかけてきたLモードですが、2001年6月の開始から5年、こちらも見事に幕が下りました。音楽配信を終了発表から1ヶ月もしないでやめてしまうオリコンと違って、Lモードのサービス終了予定は2009年度末とたいへん太っ腹。巨大企業のNTT東西には痛くもない投資だったかもしれませんが、しかしどう見ても失敗ムードがただよう中、盛んにテレビCMを打ってきた罪は大きいと言えます。
この流れで行くと、そろそろ地上デジタル放送に伴うアナログ放送の停止が延期されるのかもしれませんが、総務省はNTTよりもさらに決断が遅いんでしょうな。
2011年の停波は不可能。わたしとまったく同意見だ。
地上デジタルは、二千円札よりもLモードよりもPS3よりもVistaよりもひどい史上最低の失敗だと言える。
参考: 公開メモ日記 [検索] - 地上 デジタル