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ADSL契約のしくみ

 フレッツADSLやYahoo! BB など、ADSLサービスが色々あるのはわかるけど、料金を支払うしくみがよくわからない…? ここでは、料金のしくみについて話すついでに、技術的なことについてもちょっと賢くなっていただきましょう。

普通の電話回線を使ったインターネットだったら

 早くて快適なADSLの話をする前に、まずは普通の電話回線を使ったインターネット(以下、従来のインターネット)のことを思い出してみましょう。

 インターネットをはじめるにあたって、なにより先に思いつくのはプロバイダとの契約ですよね。ユーザー名やパスワード、それにメールアドレスなんかも、プロバイダからもらえます。これらは、いわばインターネットの世界で生きるための戸籍や名前みたいなものですね。

電話口

 では、必要な契約はプロバイダだけでしたか? いいえ。インターネットに物理的に「つながる」ために、電話線を使わせてもらうのですから、電話会社に電話料金を支払わなくてはなりませんでした。このとき、あなたの家とプロバイダのアクセスポイントをつなぐ電話線の中には、ふだんの電話で流れていた「音声の代わり」に、文字や画像などのデータが流れているのです。


ADSLの技術的なしくみ

 ADSLでインターネットにつなぐときにも、基本的にふたつの契約が必要です。ただし、片方はプロバイダでいっしょなのですが、もう一方は、必ずしも電話会社ではありません。そのわけを説明する前に、ADSLの技術的なしくみについて簡単にお話ししましょう。

 ADSLも、従来のインターネットも、「普通の電話回線」を使う点は変わりありません。電話口に差し込む電話のコードも、電信柱をつたう電線も、まったく同じものを使います。ではADSLと普通の電話回線を使ったインターネットの違いは何かというと、ズバリ、周波数なのです。おっと、周波数と聞いて身構えないでください。わかりやすく説明します。

周波数

 ラジオの周波数、ケータイの電波、コウモリの声などでおなじみの周波数。空中を伝わる音や電波の「波の振動の速さ」のことだということはご存知でしょう。病院の心電図でいえば、ドキドキの心臓が高い周波数、ご臨終に近い心臓が低い周波数になります。

 さて、ふだんの電話で使われている周波数は、300Hz〜3.4KHzの範囲。これに対して、ADSLで使う周波数は数百KHz以上です。ずいぶん違いますね。実はこの違いが、「電話しながらでもADSLでネットがつながる」を可能にしているのです。AM放送とFM放送の電波が同じ空気中を飛んでいるように、音声通話の電気信号とデータ通信の電気信号も同じ電線の中に流せるのです。(ちなみに、ADSLの通信速度の速さは、複数の周波数を同時に使うことで可能にしています。FM放送のチャンネルを一気に10局分聞いているようなものです。)


従来のインターネットとの違い

 ADSLで、プロバイダのほかに契約しなければならないのは、ADSL事業者と呼ばれる会社です。これにはもちろんNTTも含まれる(フレッツADSL)のですが、Yahoo! BB をはじめとして、ほかにも複数の事業者がいます。NTTの電話線を使っているはずなのに、どうしてADSL事業者なんて存在するのでしょうか。

 実はADSLの場合、基本的にNTTは「なにもしていません」。というのも、ふだん音声が流れていた電線にADSL通信のデータが流れても、周波数が違うのでなにも影響を受けません。また、音声通話や、プロバイダのアクセスポイントに「電話をかけてつないでいた」従来のインターネットなら「この電話番号はどこのお宅につなげばいいんだ?」ということをNTTの電話交換機がいちいち処理しなければいけませんでしたが、ADSLではそもそもアクセスポイントがないので、電話交換機の出番もありません。(音声通話とは違う周波数を使っているので、わざわざ「電話をかける」という音声通話方式の手段を使う必要がなくなりました!)

電信柱

 これらの理由から、NTTが提供しているのは「電線の中にデータを流してもいいよ」という権利だけ、ということになります。そして、NTT以外のADSL事業者はその権利を買い取り(とても安い)、さらに通信ケーブルを使って、従来のインターネットでは電話をかけることで実現していた「プロバイダへの接続」という役割を担っているのです。

 説明が長くなりましたが、つまり、プロバイダのアクセスポイントに「電話をかける」必要がなくなった代わりに、家とプロバイダとをつなぐお手伝いとしてADSL事業者が登場したわけです。


いろいろなADSLの契約パターン

 そういうわけで、ADSLでインターネットにつなぐには、プロバイダとADSL接続業者のふたつと契約する必要があります。ただし、3種類に大別されるADSL業者によっては、注意したい点がいくつかあります。

 まず、NTTのフレッツADSL。これはハッキリとプロバイダと区別されているのでわかりやすい例です。ほとんどのプロバイダが対応しているので、自分にあったところと契約するだけです。

 続いてYahoo! BB。ここはプロバイダとADSL接続業者を兼ねているので、契約するのはYahoo!BB一社だけでOKです。これは料金が格安な理由のひとつでもあります。また、サービス開始当初はサポートが悪く開通にも時間がかかっていたのですが、現在は改善されています。

 最後にeAccessやACCAなど、そのほかのADSL事業者。これらは基本的にはプロバイダと別会社なのですが、多くの場合、大手プロバイダと提携しています。つまり、これらのADSL事業者を選ぶ場合は、プロバイダも必然的に決まってくることになります。プロバイダとのパック料金になっているので、比較的低料金です。

 NTTのフレッツADSLは完全にプロバイダと別料金なので料金が高くなりがちですが、プロバイダの自由度が高い点がメリットです。その反対に、Yahoo!BBやeAccessなどの事業者は料金が安い代わりに、プロバイダが制限されてしまいます。ADSLの接続速度も1.5Mから12Mとなり、今後さらに速くなっていきます。日進月歩のインターネットですから、契約する事業者を選ぶのも大変ですね。


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