ライトリスナーに向けて「ベスト100」とかのCDを作って売りさばいていた音楽レーベル会社は、そろそろその商法をCDからデジタルデータへ、ライトリスナーからヘビーリスナーへと転換させて、J.S.バッハの全楽曲をすべて収録したiPodとかを作るべきだと思う。一流の演奏家によるバッハで60GBがたっぷり埋め尽くされて、iPodと音楽データを含めて35万円とかだったら、愛好家は余裕でお金を出すのではあるまいか。20万円ならバカ売れ。団塊の世代と中高年市場、消費の二極化、デジタル音楽とiPodなど、マスコミ向けのキーワードも豊富で宣伝費いらず。
もちろんこれは、モーツァルトとかベートーベンとかショパンにも応用できる。多作な作曲家の全曲集は、たとえば「モーツァルトの交響曲」程度に限定すればCD 30枚組とかでギリギリ実現できるかもしれないけど、協奏曲もピアノ曲もオペラも収録となると、CD 250枚組とかになってしまい、売る側にしても流通が困るし、聞く側にしてもCDばかり増えて実質的に聞かないコレクションアイテムになってしまう。もはやデジタルデータで売るしかないのだ。そのうってつけの媒体が、iPodになる。
音楽は単なるデータなんだから、いろんな形でバシバシ売るべき。
…という記事を書き上げてから検索してみたら、モーツァルトの180枚組全集が25万円ですでに存在していた。枚数も価格も、けっこうわたしはいいセンついてたな。しかし2006年にもなってこれをCDという形で発売してしまったユニバーサルクラシックは、センスなし。